ヘッダ

星の写真を写すには、シャッターを長い時間開けっ放しにします。この時カメラを三脚などに固定しますが、そのままでは出来上がりの写真の星像は点ではなく、軌跡を描いてしまいます。 (写真左)。星は地球の自転運動により、時間と共に見える位置が変わるためです。でも、ナノ・トラッカーを使えば、星の動きに合わせてカメラが動きますので、星は点像で写り、肉眼で見たときと同じような印象の写真になります(写真右)。

準備するもの

カメラはシャッタースピードをB(バルブ)もしくは30秒から数分間に設定できるカメラであれば、デジカメでもフィルムカメラでも構いません。フィルムカメラの場合はISO感度800以上の高感度フィルムがいいでしょう。
レンズは標準〜広角がおすすめで、F値がなるべく小さな明るいレンズの方が天体写真には有利です。またフードがあれば装着してください。
シャッターを押しっぱなしにするためのタイマーリモートコントローラー(レリーズ)を用意します。指でシャッターを押し続けると必ずブレが生じますし、何より疲れてしまいます。
その他に必要な装備
天体写真で行う長時間露出ではカメラのバッテリーも意外に早く消耗します。一晩中撮影する場合は予備のバッテリーがあれば安心です。また、夜は予想以上に寒くなりますので防寒着をお忘れなく。

組立て

1. 三脚の雲台を取り外し、コンパスアングルプレートを取り付けます。

2. ナノ・トラッカーを取り付け、1で取り外した雲台をナノ・トラッカーに取り付けます。

3. カメラ、レリーズを取り付けて
準備完了!
セッティング

北緯35度前後の撮影地で、広角レンズでの短時間露光でしたらこれでセッティングは完了です。

より正確にセットするにはナノ・トラッカーの穴をのぞき、その中に北極星を導入します。
いよいよ撮影

ナノ・トラッカーの電源を入れます。
コントローラーのスイッチを確認します。
通常の撮影では左側のスイッチが×1側、右側のスイッチがN(北半球)側です。

露光時間は、30秒くらいから始め、出来上がりの画像を確認しながら徐々に長くしていくといいでしょう。
※出来上がりの画像が全体的に白くなってしまう場合、光害などによる露光オーバーと考えられます。この場合はISOの設定を低くしてみてください。
カメラの設定について

2. ISOを1600や3200の高感度にします。
3. レンズの絞り値を開放(F値が最も小さくなる絞り)に合わせます。

※ピント合わせは意外に難しいものです。ライブビュー機能があるカメラでしたら明るい星を中心に入れ最高倍率にしてピントリングをゆっくり回します。星像が最も小さくなったところがピント位置です。ライブビュー機能がない場合は明るい星を試写します(10秒くらい)。ピントリングをわずかに回しもう一度試写し、前の画像と見比べます。これをくりかえし星像が一番小さくなるピント位置を探ってください。
※デジタルカメラによっては、長時間露出のノイズを低減するノイズリダクション機能がついています。便利な機能ですが処理時間が露光時間とほぼ同じくらいかかるので、すぐに次の撮影が始められない欠点があります。
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