天体望遠鏡といってもたくさんのものがあって、いったいどれを選んだらいいのか迷ってしまいますね。
初心者用天体望遠鏡を選ぶポイントをまとめてみました。
   


1−1 望遠鏡の性能は倍率が高ければいい?

よく何百倍といった高倍率をうたい文句にした商品をみかけます。これって本当にいい望遠鏡なのでしょうか?
望遠鏡の性能は有効径(レンズの直径、鏡の直径のことで口径と呼ばれることもあります)でほとんどが決まります。有効径が大きければ大きいほど光を集める力が強く、淡い天体までよく見えるようになります。
天体望遠鏡の倍率は接眼レンズ(のぞく側のレンズ)を交換することで変えることができます。ただし、あまり倍率を上げすぎると暗くぼけた感じになり、かえって見にくくなってしまいます。望遠鏡にあった見やすい倍率(適正倍率)は有効径(mm)の 2〜2.5倍が目安となります。例えば口径60cmの望遠鏡では、
  
  60x2〜2.5=120〜150

120〜150倍が適正倍率となります。

では倍率によってどれくらい見え方が違うのでしょう?土星で比べてみましょう。

50倍

100倍

150倍




ちなみに望遠鏡の倍率の求め方は・・・

 望遠鏡本体の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離

例えば焦点距離1,000mmの望遠鏡に20mmの接眼レンズを取り付けた場合は

 1,000÷20=50     

倍率は50倍ということになります。


1−2 屈折望遠鏡と反射望遠鏡 どっちがいいの?

天体望遠鏡には、大きく分けてレンズを使って光を集める屈折式望遠鏡と、鏡を使って光を集める反射式望遠鏡の2種類があります。

同じ価格であれば反射望遠鏡の方が屈折望遠鏡に比べて口径が大きく、天体を見るには有利ということもいえますが、一般的に屈折望遠鏡はほぼメンテナンスフリーで取扱いが反射望遠鏡と比べて簡単です。


2−1 レンズや鏡の性能がよければそれでいい?

望遠鏡選びでもうひとつ重要なことがあります。それは望遠鏡をのせる架台の強度です。いくらいいレンズを使った望遠鏡でも、軽く触っただけで、またはちょっとした風で揺れてしまうような架台では観測がしにくくなります。架台と三脚がしっかりしたものを選びましょう。

2−2 経緯台と赤道儀 どっちがいいの?

天体望遠鏡の架台には経緯台式赤道儀式の2種類ありますが、初心者には経緯台式がおススメです。

経緯台式は上下・水平方向に動かして天体を導入するものです。星を追尾するには架台を上下・水平両方向に動かす必要がありますが、感覚的に自然な操作が可能です。また、比較的軽量なので女性やお子様でも一人での持ち運びが可能です。

赤道儀式は天体の動きを忠実に追尾することが可能です。ただ、架台を北極星の方向に向ける必要があり、動きも上下・水平方向ではないので、慣れるまでは感覚がつかみにくいかもしれません。


倍率による見え方の違い

月のクレーターや土星の環、木星の縞模様はもちろん、空の条件がよいところではオリオン大星雲やアンドロメダ銀河などの星雲・星団も観察することができます。

代表的な星雲・星団(オリオン大星雲、アンドロメダ銀河、プレアデス星団など)
月の全体像、彗星などの観察には50倍以下で観察するのがよいでしょう。

アンドロメダ銀河

オリオン大星雲














100倍では月面の地形や惑星(金星の満ち欠け、木星の環、土星)、球状星団などが詳しく観察できます。

球状星団

金星

木星











           


150倍では月面の地形や惑星をさらに詳しく観察できます。















シュミットのおすすめ


●まずは触れてみたい

とにかくまずは望遠鏡をのぞいてみたい!そんな方にオススメなのは組立15倍望遠鏡。カメラ三脚に取り付けて使います。レンズの仕組みを学びながら組み立てることができます。ファーストスコープは卓上望遠鏡。空がよく見える窓辺、屋外で簡単に見ることができます。どちらものぞいてみると空にたくさんの星があることや月のクレーターの美しさにビックリすると思いますよ。

 
 組立天体望遠鏡15倍  MAKSY60
 1,925円(税込)  13,200円(税込)

●自分で動かしてみる

経緯台に載せた望遠鏡で天体の動きに合わせて自分で動かしてみましょう。経緯台は初心者でも直感的に使うことができます。セットになったものでも、後から別の望遠鏡に載せかえることもできます(塔載重量には限度があります)。軽量のものが多いので持ち運びも簡単です。


 スカイエクスプローラー 
 SEAZ5 102鏡筒セット
 SkyWatcher 
 AZ-PRONT MAK90
 SkyWatcher
 AZ-PRONT 90S
 76,868円(税込)  41,800円(税込) 35,200円(税込)

●自動導入・自動追尾のできる天体望遠鏡

自動で天体を追いかけたり、見たい天体を探したりできる自動導入・自動追尾機能のついた架台があります。使い始める時にアライメントという作業が必要です。これは望遠鏡に今どの向きを向いているのか教えてあげる作業です。星の名前、位置など天体の知識が深まります。長時間の観測、大勢での観測などにはとても便利な機能です。モーターで動くので電源が必要となります。

 SkyWatcher
 DOB10GOTO
 SkyWatcher
 AZ-GTi+MAK127
 CELESTRON
 NexStar4SE
 162,800円(税込)  79,200円(税込)  99,000円(税込)